ワイヤの編集の仕方
一度配置したワイヤでも移動させたり削除したりすることが可能です。ワイヤの真上にマウスカーソルを重ねると、カーソルの形状が以下のような矢印型になります。
カーソルが矢印型になったところでクリックすると、ワイヤが以下のようにハイライトされた状態になります。
このようにワイヤが選択された状態になるとDeleteキーでワイヤを削除したり、方向キーで移動させたりすることができるようになります。また、ドラッグ&ドロップで移動させることもできます。
分岐ワイヤの作り方
ワイヤの真上ではなく、ワイヤの外側の線にマウスカーソルを近づけると、カーソルの形状が糸巻きカーソルになります。
カーソルが糸巻きカーソルになった状態で一度左クリックし、その後糸巻きカーソルをワイヤから離すと、分岐ワイヤを作ることができます。
このような分岐ワイヤは同じ数値を別の関数に接続する際に必要になります。上記の例で言えば「上底」の数値を別の計算で使用する際などに、上図のような分岐ワイヤを作って別の関数に接続したりします。
「表示器」の作り方
続いて「上底」の制御器と「和」の入力端子をつないだのと同じ要領で、「下底」の制御器を「和」の持つもう一方の入力端子へと接続します。
次は足し算の結果を表示するための表示器を作成します。フロントパネル上で制御器パレットを表示し、「数値表示器」カテゴリの中から「数値表示器」を選択します。(その他の表示器も見た目が変わるだけで基本機能は変わりません。)
フロントパネル上で位置を調整し、名前を「上底+下底」に変更します。
制御器と表示器はとても似ていますが、制御器はユーザーがGUI操作画面上で数値を入力できるのに対し、表示器は数値を表示するだけの機能をもった部品になります。
制御器と表示器はLabVIEWではとても重要な概念で、プログラミングでも頻繁に使用することになります。データフロープログラミング言語であるLabVIEWでは「変数」などでデータを扱う代わりにワイヤでデータを扱います。ワイヤの始点が制御器、ワイヤの終点が表示器となるので、扱うデータの数だけ制御器や表示器も増えていきます。
フロントパネルで「上底+下底」の表示器を作ると、自動的にブロックダイアグラムの方にも「上底+下底」の表示器が作成されますので、見やすい位置に調整します。
「和」の関数の右側には計算結果を出力する出力端子があるので、そこから「上底+下底」表示器までワイヤを延ばして接続します。
LabVIEWプログラムの実行方法
プログラムの途中ですが一度ここで「上底+下底」が実際に計算されるか実験してみます。フロントパネルの方へ戻って「上底」と「下底」の制御器に適当な数値を入力します。
ツールバーの中にある右向き矢印のアイコンが実行ボタンです。
実行ボタンを押すとプログラムが実行され、「上底+下底」の表示器に計算結果が表示されることを確認します。
2つの数値を掛け算する
台形面積を求めるプログラムの続きを作成していきます。ブロックダイアグラム上で再び関数パレットを表示し、「数値」カテゴリの中から「積」の関数を選択します。
「積」の関数をブロックダイアグラム上の適当な位置に配置します。
「上底+下底」の数値が流れているワイヤから分岐ワイヤを作り、「積」の関数の入力端子に接続します。
「高さ」制御器からワイヤを延ばし、「積」関数のもう一方の入力端子に接続します。
割り算をする
再び関数パレットの「プログラミング」→「数値」カテゴリの中から「商」の関数を選択し、適当な位置に配置します。
「積」関数の出力端子から「商」関数の「x」入力端子(上側の入力端子)へワイヤを接続します。
「商」関数の「y」入力端子(下側の入力端子)へは定数の2を接続します。定数は関数パレットの中の「プログラミング」→「数値」のカテゴリの中にあります。数値定数には整数型(青色)と浮動小数点数型(オレンジ色)のものがあります。今回は浮動小数点数型を使用します。
浮動小数点数型の数値定数を適当な位置に配置し、数値を2.0に書き換えます。
数値定数の2.0を「商」の「y」入力端子(下側の入力端子)に接続し、「台形の面積」という名前の表示器を「商」の「x/y」出力端子に接続したらプログラムは完成です。
これで台形の面積「(上底+下底)×高さ÷2」を計算するLabVIEWプログラムが完成しました。実際に制御器に数値を入れて実行すると以下のようになります。