フィードバック制御

制御工学と言う学問があります。制御工学は第一次産業革命の時代に、蒸気機関の回転数を一定に保ちたいと言う要求から始まったとされています。フィードバック制御は制御工学では頻繁に登場する制御方式で、制御工学で扱われる問題のほとんどがフィードバック制御を前提としてるのではないかと思うぐらい、制御工学の中でフィードバック制御が占める割合は大きいです。(フィードフォワード制御と言うものもあります。)

産業革命時代、蒸気機関の回転数を一定に保つ事は簡単ではありませんでした。当然の事ですが、蒸気機関に何かの仕事をさせるとき、その仕事の負荷によっては回転速度が落ちてしまいます。負荷が大きくなった時、回転数が落ちた事を検知して自動的に蒸気機関の出力を上げ、回転数を元に戻す。このような操作を行う事をフィードバック制御と言います。

制御の対象になるのは機械の回転数だけではありません。回転角度や部屋の温度、貯水槽の水位など、何らかのセンサーで計測可能な物理量であれば何でも制御工学の対象になり得ます。

制御の対象として一定の値に保ちたい物理量の事を制御量と言います。回転速度、回転角度、温度、水位など、制御システムを使って目標とする一定の値に保ちたいと考えている物理的な量の事です。

ここではタミヤのギヤボックスを使用し、回転角度を指示した目標値に追従させるフィードバック制御の実験をしてみました。制御量を回転角度にしたのは実験装置が作りやすいのと、回転速度より回転角度の方が目で見て分かりやすいという理由からです。

 

使用したギヤボックスはタミヤの「楽しい工作シリーズNo.93」の3速クランクギヤ―ボックスセットです。ギヤ比は203.7:1の組み合わせで使用しています。

 

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制御システムの概要

制御システムの概要は以下のようになっています。

R1~R4はオペアンプで減算回路を構成しています。(減算回路はR1=R3、R2=R4、の条件で使用します。)この減算回路は可変抵抗器の電圧(目標値)から、ポテンショメータの電圧(制御量)を引き算した値(偏差)に(R1/R2)の値(ゲイン)を掛け算した値を出力します。

減算回路の出力がそのままモーターへの出力電圧(操作量)となっています。制御量が目標値に達していないときは減算回路からモーターへプラスの電圧がかかるので、モーターは正転方向(時計回り)に回転します。逆に制御量が目標値を追い越したときは減算回路からモーターへマイナスの電圧がかかるので、モーターは逆転方向(反時計回り)に回転します。

一般的なオペアンプでは本来、モーターを直接駆動させるほどの大電流を流すことはできないのですが、この実験ではTA7272Pという大電流を流せるオペアンプを使っているので1つのオペアンプだけでシステムを構築することができました。TA7272PというICは少し古いICなので今では手に入れることが難しいかもしれません。TA7272Pでなくてもパワーオペアンプに区分されるICなら同じような使い方ができると思います。例えば秋月電子通商さんでは以下のようなパワーオペアンプを取り扱っています。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00065/

 

動画内の最初の実験では抵抗値がR1=R3=Rbが22kΩで、R2=R4=Raが1kΩの抵抗値を使用しています。続いてゲインを少し下げた状態での実験ではR2=R4=Raは1kΩのままで、R1=R3=Rbが4.7kΩになっています。そして最後のゲインを上げた状態での実験ではR2=R4=Raは1kΩのままで、R1=R3=Rbが51kΩになっています。

 

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