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LabVIEWではプログラムのことをVIと呼びます。ファイルの拡張子も”.vi”となります。

最初に新規VIを作成すると、以下のような2つのウィンドウが開きます。LabVIEWではこの2つのウィンドウを使いながらプログラムを作成していきます。

 

1つ目は「フロントパネル」といってユーザインタフェースを作成するウィンドウです。ボタンやスイッチなどのGUI部品をドラッグ&ドロップで自由に配置することができます。

 

2つ目は「ブロックダイアグラム」といってプログラムの動作を記述するウィンドウです。LabVIEWはグラフィカルプログラミング言語なので、ここには関数のアイコンやデータの流れを表すワイヤを置いていくことでプログラミングを行います。

 

フロントパネルとブロックダイアグラムは常に連動していて、フロントパネルに何らかの部品を配置すると、自動的にそれがブロックダイアグラムにも反映されるようになっています。

 

台形の面積を計算するプログラムを作ってみる

ここでは例として台形の面積を計算するプログラムを作成してみたいと思います。まずはフロントパネルの方に台形の「上底」「下底」「高さ」の3つの数値を入力する「制御器」という部品を配置します。

 

制御器の作り方

フロントパネル上で右クリックすると制御器を選択する制御器パレットが表示されます。(「表示」→「制御器パレット」でも表示できます。)

 

表示された制御器パレットの「数値制御器」カテゴリを選択すると、様々な種類の数値制御器が表示されます。

 

スライド型やダイアル型などがありますが、見た目や操作方法が少し異なるだけで、どれを選んでも本質的な数値制御器としての機能に違いはありません。ここでは最も基本的な数値制御器を使用してみます。

 

「数値制御器」を選択すると制御器がフロントパネル上に配置されます。ドラッグ&ドロップで好きな位置に移動できますので位置を調整します。

 

それぞれの制御器には名前が付いています。初期状態では「数値」という名前がついていますので、これを「上底」という名前に変更します。名前をダブルクリックすると名前が編集可能な状態になります。

 

同じ要領で「下底」と「高さ」の制御器も作成します。

 

フロントパネルで作成した制御器は自動的にブロックダイアグラムの方にも反映されています。ブロックダイアグラム上の制御器もドラッグ&ドロップで移動できますので見やすいように位置を調整します。

 

2つの数値を足し算する

まず、台形の面積を計算するために「上底」と「下底」を足し算した結果を表示してみます。

ブロックダイアグラム上で右クリックすると「関数」を選択する「関数パレット」が表示されます。(「表示」→「関数パレット」でも表示できます。)

 

上記のパレットには全ての関数が表示されていませんが、パレットの一番下にある下向き矢印をクリックすると全ての関数パレットが表示されます。

 

関数パレットの中の「プログラミング」のカテゴリを選択するとプログラミングに関するカテゴリが表示されます。

 

さらに、表示された「プログラミング」カテゴリの中の「数値」カテゴリを選択します。

 

「数値」を選択すると「数値」カテゴリの関数が表示されるので、「和」を選択します。

 

「和」を選択すると「和」の関数をブロックダイアグラム上に配置できる状態になりますので適当な位置をクリックして関数を配置します。

 

ワイヤのつなぎ方

LabVIEWではデータフロープログラミングといって、データ処理の流れを「ワイヤ」を使って記述することでプログラミングを行います。データ処理は大体画面左側から右側へ向かって進むことが想定された作りになっています。

制御器に入力されている数値を「和」の関数で計算するには、制御器と「和」関数の間をワイヤでつなぎます。制御器の右端にある三角マーク付近にマウスカーソルを近づけるとマウスカーソルが糸巻きに変わります。

 

その状態で一度左クリックし、その後糸巻きカーソルを制御器から離すと制御器から糸巻きカーソルまで破線ワイヤが延びる状態になります。

 

途中で左クリックするとそこでワイヤの中継点を作る事もできます。

 

目的の関数の入力端子付近まで糸巻きカーソルを移動させると入力端子に小さな丸印が現れます。(大抵は関数の左側にデータの入力端子、右側にデータの出力端子があります。)

 

そこで左クリックするとワイヤが接続され、破線だったワイヤが実線のワイヤになります。これで制御器から「和」の入力端子へデータが流れるようになりました。

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ワイヤの編集の仕方

一度配置したワイヤでも移動させたり削除したりすることが可能です。ワイヤの真上にマウスカーソルを重ねると、カーソルの形状が以下のような矢印型になります。

 

カーソルが矢印型になったところでクリックすると、ワイヤが以下のようにハイライトされた状態になります。

このようにワイヤが選択された状態になるとDeleteキーでワイヤを削除したり、方向キーで移動させたりすることができるようになります。また、ドラッグ&ドロップで移動させることもできます。

 

分岐ワイヤの作り方

ワイヤの真上ではなく、ワイヤの外側の線にマウスカーソルを近づけると、カーソルの形状が糸巻きカーソルになります。

 

カーソルが糸巻きカーソルになった状態で一度左クリックし、その後糸巻きカーソルをワイヤから離すと、分岐ワイヤを作ることができます。

このような分岐ワイヤは同じ数値を別の関数に接続する際に必要になります。上記の例で言えば「上底」の数値を別の計算で使用する際などに、上図のような分岐ワイヤを作って別の関数に接続したりします。

 

「表示器」の作り方

続いて「上底」の制御器と「和」の入力端子をつないだのと同じ要領で、「下底」の制御器を「和」の持つもう一方の入力端子へと接続します。

 

次は足し算の結果を表示するための表示器を作成します。フロントパネル上で制御器パレットを表示し、「数値表示器」カテゴリの中から「数値表示器」を選択します。(その他の表示器も見た目が変わるだけで基本機能は変わりません。)

 

フロントパネル上で位置を調整し、名前を「上底+下底」に変更します。

 

制御器と表示器はとても似ていますが、制御器はユーザーがGUI操作画面上で数値を入力できるのに対し、表示器は数値を表示するだけの機能をもった部品になります。

制御器と表示器はLabVIEWではとても重要な概念で、プログラミングでも頻繁に使用することになります。データフロープログラミング言語であるLabVIEWでは「変数」などでデータを扱う代わりにワイヤでデータを扱います。ワイヤの始点が制御器、ワイヤの終点が表示器となるので、扱うデータの数だけ制御器や表示器も増えていきます。

 

フロントパネルで「上底+下底」の表示器を作ると、自動的にブロックダイアグラムの方にも「上底+下底」の表示器が作成されますので、見やすい位置に調整します。

 

「和」の関数の右側には計算結果を出力する出力端子があるので、そこから「上底+下底」表示器までワイヤを延ばして接続します。

 

LabVIEWプログラムの実行方法

プログラムの途中ですが一度ここで「上底+下底」が実際に計算されるか実験してみます。フロントパネルの方へ戻って「上底」と「下底」の制御器に適当な数値を入力します。

 

ツールバーの中にある右向き矢印のアイコンが実行ボタンです。

 

実行ボタンを押すとプログラムが実行され、「上底+下底」の表示器に計算結果が表示されることを確認します。

 

2つの数値を掛け算する

台形面積を求めるプログラムの続きを作成していきます。ブロックダイアグラム上で再び関数パレットを表示し、「数値」カテゴリの中から「積」の関数を選択します。

 

「積」の関数をブロックダイアグラム上の適当な位置に配置します。

 

「上底+下底」の数値が流れているワイヤから分岐ワイヤを作り、「積」の関数の入力端子に接続します。

 

「高さ」制御器からワイヤを延ばし、「積」関数のもう一方の入力端子に接続します。

 

割り算をする

再び関数パレットの「プログラミング」→「数値」カテゴリの中から「商」の関数を選択し、適当な位置に配置します。

 

「積」関数の出力端子から「商」関数の「x」入力端子(上側の入力端子)へワイヤを接続します。

 

「商」関数の「y」入力端子(下側の入力端子)へは定数の2を接続します。定数は関数パレットの中の「プログラミング」→「数値」のカテゴリの中にあります。数値定数には整数型(青色)と浮動小数点数型(オレンジ色)のものがあります。今回は浮動小数点数型を使用します。

 

浮動小数点数型の数値定数を適当な位置に配置し、数値を2.0に書き換えます。

 

数値定数の2.0を「商」の「y」入力端子(下側の入力端子)に接続し、「台形の面積」という名前の表示器を「商」の「x/y」出力端子に接続したらプログラムは完成です。

 

これで台形の面積「(上底+下底)×高さ÷2」を計算するLabVIEWプログラムが完成しました。実際に制御器に数値を入れて実行すると以下のようになります。

 

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