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輪ゴム鉄砲の持つ魅力のひとつに、「自分で手作りできる事」というのがあると思います。しかし、実際に自分でデザインした輪ゴム鉄砲を、木工で一から製作するとなると、かなりの労力が必要になります。

電動糸ノコやボール盤などが家に有る、という方は少数派だと思います。一般的な家庭でも輪ゴム鉄砲作りを手軽に楽しめる方法がないかと思い。はさみと接着剤だけを使った、紙製の輪ゴム鉄砲作りに挑戦してみました。

 

紙製輪ゴム鉄砲でどこまでのことができるのか、その検証の意味でも、あまりに簡単なものでは意味が無いと思い、今回はあえて複雑な、連射式の輪ゴム鉄砲を作ってみました。型式は「SAGARA-RG500 ECONOMY」。以下がその試射の様子です。

 

紙製のわりにはかなりしっかりとした作りになったと思います。連射式の機構も問題なく動作し、6連射までなら強度的にも耐えられるようです。(輪ゴムのサイズは16番を使用しています)

紙製でも複数枚重ねることで、かなりの強度が保てることが分かりました。これなら他の輪ゴム鉄砲にも応用できそうですね。今回の作品はホップアップ式ではないので飛距離は短いですが、連発銃には連発銃の楽しさがあり、完成後はしばらくの間、射的をして遊びました。こちらのページで的データもダウンロードできますので、よかったら使ってみてください。

 今回製作した輪ゴム鉄砲は「回転翼式連発銃」と呼ばれているもので、連射式のゴム銃を作る方式の中では比較的よく使われているものです。図面を公開してくださっている方々も多くおられますので、それらを参考に自分なりの改良を加えていくのも楽しいのではないでしょうか。

※2018/4/30追記 以下のページに新作の作り方を公開しました。新型の方はより少ない作業行程で完成させられるように作り方が改良されていたり、安全性の観点から使用する竹串やつまようじの本数を最小限に抑えるような工夫が施されています。SAGARA-RG500 ECONOMYは実験的な作品のため、つまようじを多用する構造になっています。万が一、作品を手に持ったまま転んだりすると危険ですので、遊ぶときには十分注意して取り扱うようにしてください。また以下のリンク「ダンボール工作 | 作り方と設計図集」で紹介している新型のRG600やRG300の方がより安全面を考慮した作りになっているのでおすすめです。

RG-600-RG-300

ダンボール工作 | 作り方と設計図集

 

それでは以下に製作手順を記します。

※はさみやカッターなどを使用します。もし実際に作業される方は、怪我をしないよう充分注意して作業を行ってください。

まずは材料です。基本的には厚紙と木工ボンド、あと「つまようじ」を8本だけ使って作ります。私は100円ショップでA3サイズで4枚入りの厚紙を買ってきました。厚さは400g/m2と記載されていましたが、とりあえず厚紙に分類されているものなら何でも大丈夫です。

zairyou_0

 

必須ではないのですが、コルクシートをグリップに使えば見栄えがかなり良くなります。好みにもよりますが、こちらも100円ショップで購入できるので、あれば買っておくと良いでしょう。

zairyou_1

 材料まとめ:A3サイズ厚紙4枚、木工ボンド、つまようじ8本

材料がそろったら以下のリンクから図面をダウンロードしてください。図面は2枚あります。右クリックして「リンク先を保存」してください。

sagara-rg500_0

RG500_図面1

sagara-rg500_1

RG500_図面2

 

上のリンク先から「sagara-rg500_0.jpg」、「sagara-rg500_1.jpg」の2つの図面がダウンロードできたと思います。このファイルをご家庭のプリンターで印刷してください。どちらもA4サイズの用紙で印刷できる大きさになっています。私の場合はWindowsに標準で入っている「ペイント」ソフトで印刷しました。2枚とも縮尺が100%になるように印刷してください。

rg500-make_0

 

図面を厚紙に写すために、各部品を型紙として切り取ります。穴を開ける位置には丸印がありますので、印と同じぐらいの穴を開けておいてください。各部品にはそれぞれ番号が振ってあります。

rg500-make_1

 

 1番の部品番号を厚紙から切り出します。型紙を厚紙にあてて、鉛筆などで縁をなぞるようにして形を写し取りましょう。このとき、穴の位置も忘れずに写しておきます。

rg500-make_2

 

1番の部品は厚みが必要な部品であるため、厚紙を9枚重ね合わせて作ります。型紙を使って厚紙から同じ形の部品を9枚切り出しましょう。

rg500-make_3

 

同じ形のものが9枚切り出せたら、それらを木工ボンドで貼り合わせ、ひとつの部品にします。1番の部品は稼動する部分ですので、真ん中の穴につまようじを通して固定します。この部分はつまようじを軸にして回転するような動きをします。

rg500-make_4

 

2番の部品も同様に厚紙から切り出し、複数枚を重ねてボンドで貼り合わせます。この部分は輪ゴムがかかって力が加わる部分ですので、5枚分を重ねて作成しました。

木工ボンドは固まるまでかなり時間がかかります。貼り合わせた後は上下から別の紙ではさみ、上から重しを乗せて乾かすと、まっすぐな状態で固まってくれます。1日ほどすれば完全に固まると思います。

rg500-make_5

 

3番の部品は形が複雑で切り出すのが少し大変です。この部品も強度が必要な部分ですので、5枚分を張り合わせて作成します。

rg500-make_6

 

4番の部品はトリガーになる部分です。基本的には8枚分の厚みが必要なので、8枚切り出して張り合わせればよいのですが、厚みが必要なのは上部の長方形の部分だけですので、少し楽をするなら、この部分だけを8枚分の厚さになるように、別途補強用の厚紙を切り出して張り合わせても良いです。もちろん、他の部品同様に同じ形で8枚切り出して張り合わせた方が、しっかりと強度が出ますので、そちらの方がより良いです。

私の場合は4枚分を型紙通りに切り出して貼り合わせた後、写真の様に、くぼみの前後に長方形の厚紙を切り出して貼り合わせました。枚数は表と裏側、それぞれ2枚分を張り合わせているので、補強部分の厚みは8枚分の厚みになるようになっています。

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 5番目の部品は左右に2枚必要です。それぞれ4枚分を張り合わせて作成します。

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6番の部品には表と裏側に、スペーサーとして7番の部品を貼り合わせて作成します。6番の部品を4枚重ね合わせた後、表側と裏側から7番の部品を2枚ずつ貼り合わせます。この部分も1番の部品と同様に、真ん中につまようじを通して固定します。

rg500-make_12 rg500-make_10 rg500-make_11

 ※2016/3/6追記。上記の回転翼部品におけるスペーサーの入れ方につきまして、紙製の場合は上の写真のような入れ方でも動作するのですが、木やプラスチックなどの硬い材料で作る場合には、巻き取られた輪ゴムが軸受けとスペーサーの間に挟まることでうまく動作しなくなることがありました。(紙製の場合には軸受け部分が本体ごとたわんでくれることで輪ゴムが詰まらず、うまく動作するようです。)木やプラスチックなどの材料で本格的に制作される方は以下のリンク先で紹介されている三本狐様の回転翼の作り方を参考にしてみてください。

http://foxcraftworks.okitsune.com/rbg/X301.html

参考にさせていただいた三本狐様の サイトのトップページはこちらです。日本ゴム銃射撃協会の方で非常にレベルの高いゴム銃を作っておられます。

http://foxcraftworks.okitsune.com/

 

8番の部品も左右に2枚必要です。強度が無くてもよい部分ですので、それぞれ2枚分の厚さで作成します。

rg500-make_13

 

9番はスペーサーとして使用します。それぞれ2枚ずつ重ねて使います。スペーサーは後ほど使用しますが、スペーサーなので形状はそれほど精確でなくてもかまいません。スペーサーが必要な箇所は12箇所ありますので、2枚×12箇所分のスペーサーを切り出しておきます。

rg500-make_14

 

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10番の部品は1枚だけ切り出し、上下のはねの部分を内側へ折り曲げ、ボンドで固定します。完全に固まるまで、洗濯ばさみで固定しておきましょう。

rg500-make_15

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11番の部品はグリップになる部分です。コルクシートから左右用に2枚切り出します。

rg500-make_17

 

12番の部品も左右に2枚必要です。強度が無くてもよい部分ですので、それぞれ2枚分の厚さで作成します。

rg500-make_18

 

 ここまでの作業で、以下の部品が作成できたと思います。これから各部品を組み立てていきます。

rg500-make_19

 

まずは5番の部品の以下の穴につまようじを通します。つまようじを通していない2つの穴は、1番と6番の部品の軸受けになる穴です。軸受けですので、つまようじを通して抵抗無く回転できるぐらいに、穴の大きさを調整しておいてください。

rg500-make_20

 

つまようじを通したら、今度は各つまようじに2枚ずつ、9番のスペーサーを通します。

rg500-make_21

 

その上から、2番と3番の部品を以下のように通します。

rg500-make_22

 

次に1番、4番、6番の部品を以下の様にして配置します。このとき、4番の部品(トリガー)が前後に滑らかに動作するか確認します。また、4番と1番の部品が連動して動作するか?6番の部品と1番の部品の位置関係は適切か?など、実際に稼動部を動かしてみながら確認します。ここで特定の部品が引っかかって滑らかに動作しない、などの状態が見つかれば、部品の出過ぎた部分を削るなどして調整しておきます。(1番の部品は6番の部品の回転を止めるストッパーの役割をはたします。トリガーが前の位置にあるとき、6番の部品は1番の部品の上側の爪で前方向への回転を止められます。逆にトリガーが後ろの位置にあるとき、6番の部品は1番の部品の下側の爪で回転を止められます。)

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稼動部が正常に動作することが確認できたら、以下の位置のつまようじに、再び9番のスペーサーを通します。各つまようじにはスペーサーを2枚ずつ通します。

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スペーサーを通したら、もう一枚ある5番の部品を上から通して稼動部にふたをします。このとき、1番と6番の部品が滑らかに稼動するように、軸受け穴の大きさを調整しておいてください。

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 稼動部分の動作に問題がないことが確認できたら、10番の部品の、左右のはねの部分に両面テープを張り、以下の位置で本体を挟み込むようなかたちで貼り付けます。

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 次に、8番の部品と12番の部品を、表側から以下のようにしてつまようじに通します。このときも、1番の部品と6番の部品が滑らかに稼動することを確認し、抵抗がある場合には軸受け穴の位置や大きさを調整してください。

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同様に裏側からも8番の部品と12番の部品を、つまようじに通します。

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次に、本体左右に突き出しているつまようじを以下のように切断します。つまようじが少し外側に出ているぐらいでちょうど良いと思います。つまようじは軟らかいので、切断箇所にはさみで切り込みを入れ、左右に力を加えると簡単に折れます。

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1番の部品と6番の部品の回転軸を除く、全てのつまようじの先端にボンドを付けて接着します。しっかりと固まるまで乾燥させましょう。

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ボンドが完全に固まったら、今度はコルクシートで作ったグリップを貼り付けます。以下のようにして両面テープを貼り、本体のグリップ部分に貼り付けましょう。

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最後にトリガーを戻す輪ゴムをかけます。16番サイズの輪ゴムを以下のようにしてトリガーの後ろに差し込みます。

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トリガーの後ろにあるくぼみの部分で、輪ゴムがちょうど半分になるように折り曲げます。

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輪ゴムの片側にできた輪の先端を、トリガー前方にある爪に引っかけます。

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もう片方の輪の先端も、同様にして爪に引っかけます。

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以上で完成です。本体部分に色をつけたり、模様を描いたりしてオリジナルのデザインにするのも良いかと思います。ページ先頭にある動画を見ながら遊んでみてください。

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今回は紙製でどこまでできるのかを検証することが目的だったため、構造的にも部品点数的にも製作の難易度が高めになっています。実際に作ってみて、どうせ紙で作るなら、もっと気軽に手軽に作れるようなデザインの物もあった方が良いと思いました。また機会があればそういうコンセプトでも作ってみたいと思います。

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