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これまでコンピュータを理解する上で最低限必要な電子回路の要素について紹介してきました。最後にコンピュータ回路を動かすのに必要不可欠な「クロック信号」を作る回路を紹介したいと思います。

クロック信号は回路の「発振」という現象を利用して作られます。「発振」を起こす発振回路にはいろいろなものがあるのですが、発振回路の詳しい動作原理を知ることはコンピュータの動作原理を理解する上でそれほど優先すべき内容ではないと思いましたので、ここでは比較的理解しやすい「リング発振回路」(リングオシレータ)のみを紹介しておきたいと思います。

「リング発振回路」は奇数個の「NOT回路」をリング状に接続しただけの簡単な回路です。

 

リング発振回路1

図65.リング発振回路

 

上図の回路でA点の下にあるスイッチが左側に倒れている時、A点は「0」の状態となっていますので、NOT回路の反転機能によって3つのNOT回路の出力は左から順に1→0→1となり、B点の状態は「1」となります。

次にA点のスイッチを右側に倒すとA点にはB点の出力電位が伝わるためA点の状態は「1」の状態へと変化します。

 

リング発振回路2

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図66.リング発振回路2

 

しかしA点の状態が「1」になると3つのNOT回路の出力は左から順に0→1→0となり、B点の状態が「0」に変化してしまいます。

B点の状態が「0」になると再びA点の状態も「0」になってしまうため、その後に続くNOT回路の出力も変化して…、という具合に延々と各点の電位が「1」と「0」を行ったり来たりする状態が続くことになってしまいます。

一見するとこのような矛盾のある回路は成り立たないようにも思えます。しかし、NOT回路の入力の状態が決まってから実際に回路内部に電流が流れて出力電位が変化するまでの間には、わずかな時間ではあっても遅れが生じています。この信号伝達の遅れがあるために上図の回路ではA点、B点ともに「0」の状態と「1」の状態を行ったり来たりする現象が起こります。このような現象のことを「発振」と言います。

クロック信号はこのような発振現象を起こす「発振回路」によって作られています。

※より本格的な発振回路ではコンデンサや抵抗を使った充放電の機能を利用することで信号の伝達遅延時間を調整し、発生させるクロック信号の周波数(1と0が行ったり来たりする速さ)を制御するようなことも行われます。

 

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