スポンサーリンク

コンピュータの中には足し算回路や引き算回路など計算を行う回路がいくつか入っています。足し算の答えが欲しい時と引き算の答えが欲しい時とでは使用する回路が違ってくるので、その時々によって使用する回路が切り替えられるようにできています。コンピュータ内部では信号の接続経路を次々と切り替えていくことによって様々な処理が実行されて行きます。

信号の接続経路を切り替える仕組みも「NOT回路」「OR回路」「AND回路」の組合せで作ることができます。以下の回路は端子A、B、Cへ出力する信号を端子A0、B0、C0から入力された信号にするか、もしくは端子A1、B1、C1から入力された信号にするかを切り替える回路です。端子Sが接続経路を選択する役割を持っていて、端子Sへ「0」を入力するか「1」を入力するかで接続経路が切り替わります。端子Sへ「0」が入力された場合には端子A0、B0、C0から入力された信号が端子A、B、Cへと出力され、端子Sへ「1」が入力された場合にはA1、B1、C1から入力された信号が端子A、B、Cへと出力されるようになっています。

 

マルチプレクサ

図32.マルチプレクサ回路

 

スポンサーリンク

回路の前段に並べられた「AND回路」は入力端子が両方「1」の状態でないと出力が「1」になりません。この動作は見方を変えると片方の入力端子が「0」の時にはもう片方の入力端子が「0」でも「1」でも強制的に出力が「0」の状態になるということです。そして片方の入力端子が「1」の時にはもう片方の入力端子が「0」の時には出力が「0」に、「1」の時には出力が「1」になります。

ですので「AND回路」は片方の入力端子に「1」を入力するともう片方の入力端子に入力された信号がそのまま出力側に現れ、逆に片方の入力端子に「0」を入力するともう片方の入力端子がどのような状態であれ出力が「0」になるという、言わば門番のような使い方ができるのです。

後段に配置された「OR回路」は入力端子のどちらかが「1」であれば出力が「1」になりますので、片方の経路が「AND回路」の門番機能によって出力が「0」の状態にされていれば、もう片方の経路の出力信号がそのまま「OR回路」の出力に現れることになります。

このような信号の接続経路を切り替える回路のことをマルチプレクサ回路と言います。コンピュータの内部にはこのようなマルチプレクサ回路がたくさん入っていて、プログラムの指示に従っていろいろな経路へと接続が切り替わるようになっています。

 

<戻る       次へ>

 

スポンサーリンク