回路の前段に並べられた「AND回路」は入力端子が両方「1」の状態でないと出力が「1」になりません。この動作は見方を変えると片方の入力端子が「0」の時にはもう片方の入力端子が「0」でも「1」でも強制的に出力が「0」の状態になるということです。そして片方の入力端子が「1」の時にはもう片方の入力端子が「0」の時には出力が「0」に、「1」の時には出力が「1」になります。
ですので「AND回路」は片方の入力端子に「1」を入力するともう片方の入力端子に入力された信号がそのまま出力側に現れ、逆に片方の入力端子に「0」を入力するともう片方の入力端子がどのような状態であれ出力が「0」になるという、言わば門番のような使い方ができるのです。
後段に配置された「OR回路」は入力端子のどちらかが「1」であれば出力が「1」になりますので、片方の経路が「AND回路」の門番機能によって出力が「0」の状態にされていれば、もう片方の経路の出力信号がそのまま「OR回路」の出力に現れることになります。
このような信号の接続経路を切り替える回路のことをマルチプレクサ回路と言います。コンピュータの内部にはこのようなマルチプレクサ回路がたくさん入っていて、プログラムの指示に従っていろいろな経路へと接続が切り替わるようになっています。